約24時間周期の転写産物リズムを生み出す新たな転写後調節A-to-I RNA編集

吉種光
(東京大学 大学院理学系研究科 助教)

2015年8月24日月曜日

やさしい科学セミナー

8/19にやさしい科学セミナーを開催しました。本助成を頂くことになった時からずっと気になっていた企画。はじめは少し面倒だなとも思っていたのですが、とても良い経験になり、自分も楽しむことができました。準備計画段階からずっとサポートをしてくれた小倉さん、そして打ち合わせと当日にフル活動してくれた中原さん、本当に有難うございました。

一般の国民に向けた科学講義というお題に対して、せっかくの機会なので母校である桐蔭学園とコラボ企画がしたいと考えました。ちょうど50周年ということで母校が同窓会を積極的に活用してOBOGによるフロンティアセミナーというのを開催しようと動いていたことも後押しとなりました。はじめは学園内セミナーの一講師として参加することを計画し、桐蔭学園まで打ち合わせに行ったのですが、話を進めるうちに内容がステップアップ。せっかくなので、独立した企画として今後も続く学園の新しいプロジェクトにしましょう、と。

最終的には、東京大学に生徒を招待して、学校見学から、講義、体験実習まで詰め込んだフルコースを行うことに。最低30名は集まって欲しいなと考えて、中学1-3年生を対象に希望者を集めるとすぐに200名を超える大盛況。予定していた教室を変更して90名を抽選で招待することに。応募してくれた他の生徒さんには申し訳なかったと思っています。どのようなスタイルになるか現状では未定ですが、この企画を来年度以降も継続して開催できれば、その時にまた参加してくれると嬉しいと思っています。個人的には中学3年-高校1年くらいに絞って、東京大学でのセミナー開催を毎年継続できるといいかなと思っています。学園の募集要項にアピールポイントとして使えるような企画にできるといいですね。

当日は午前中に赤門前に集合して、本郷キャンパスを散策。学食でお昼ご飯を食べて、午後は理学部1号館の物理の教室をお借りして座学。我々が研究をしている「体内時計」がなぜ24時間周期のリズムを毎日繰り返すことができるのか、遺伝子レベルので仕組みについて、普段の研究内容について、できるだけ簡単な言葉で説明をしました。後半は体験実習。白黒さまざまなマウスの説明とふれあい。生後12日目のマウスが大人気でした。また、ピペットマンを使用して遺伝子組み換え実験の工程を体験してもらいました。90名という人数なので、3分クッキングのような感じになりましたが、各ステップで感動してくれている様子が伝わってきてうれしかったです。詳しくはYOU TUBEでの動画配信をごらんください。90名分のアンケート結果にも目を通しましたが、全体的に満足してくれた子が多くて良かったと思っています。多岐に渡る意見は来年度以降の参考にさせてもらいます。


最後に、財団の皆様をはじめ、桐蔭学園の引率の先生方、体験実習をサポートしてくれた研究室の大学院生のみんな、そして積極的にセミナーに参加してくれた生徒達に感謝したいと思います。

追伸
実はこのセミナーの1週間ほど前に、予行練習として中学生と小学生の姪を大学に招待をして同じことを行いました。彼女達の素直な意見が今回の成功への鍵となったことをここに記しておきたいと思います。ありがとう。

2015年8月11日火曜日

ヨーロッパ時間生物学会EBRSにてPoster Prizeを受賞しました

8/2-8/6に英国マンチェスター大学にて開催されたヨーロッパの時間生物
学会EBRSに参加してまいりました。

生物リズムに関する主要な会議は3つあり、日本が企画運営をしている
日本時間生物学会JSC、米国が企画運営をしているSRBR、ヨーロッパ
が企画運営をしているEBRSがあります。JSCは毎年開催しているのに
対してSRBRとEBRSは隔年開催で、それぞれぶつからないように開催
されています。これに加えてゴードン会議GRCがEBRSと同じ年に開催
されています。

これまではJSCに加えてSRBRとGRCに参加を続けてきたのですが、
今回EBRSが開催されるのがマンチェスターということで、今年はGRC
ではなくEBRSに参加することにしました。マンチェスター大学には
Qing-Jun Meng氏やAndrewLoundon氏などこれまで共同研究を行い論文
にまとめてきた仲間がおり、今もまた論文を執筆中ですので、ぜひ一度
研究室に遊びに行きたいと思っていたからです。これまでの共同研究の
仕事は下記リンクをご参照ください。
Pekovic-Vaughan et al., Genes Dev. 2014
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24637114
Gossan et al., Nucleic Acids Res. 2014

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24728990

初めての英国出張となったのですが、噂通り食事とホテルの質は厳しい
ものがありました。しかし、ゴシック調のヨーロッパの街並みはキレイ
で欧米の中では治安がよく、さすが紳士の街であると感銘を受けました。

学会では本研究助成の内容をポスター発表してきたのですが、先月の
GRC会議でのPoster awardに続き、またもPoster Prizeを受賞すること
ができました。本研究が世界で高く評価されていると自信になりました
ので、より一層研究に専念したいと思います。

最後に、海外出張をすると時差ぼけを体感できます。これは我々が研究
対象としている体内時計の乱れによるもので、この時計の乱れが睡眠
障害だけではなく発癌リスクの増大や肥満など様々な問題と直結する
ことが知られています。日々の研究を自分で実感し、また自分の研究に
フィードバックする上でも重要な経験となります。まぁ辛いですが、
ポジティブに。いつか自分の研究が時差ぼけの根本からの解決に繋がる
と期待して研究に励むのみです。